食べ物をおいしく味わうために最も良いのは本来の歯。患者さんの歯を守るために当院では予防治療に力を入れています。
歯を守ることは全身を守ること
歯の病気は全身の疾患に関わりがあると言われています。むし歯が痛くてよく噛まないと胃酸過多になり内臓の負担が増すほか、むし歯を放置することでむし歯の原因菌が血管に入り込み、心臓に達することで心臓の内側の膜(内膜)が炎症を起こす心内膜炎にかかるおそれもあります。よく噛まないと脳への刺激が減って認知症のリスクが高まります。
ほかにも、「歯周病の治療」のページで紹介したようなさまざまな病気との関連が指摘されています。
つまり、歯を守ることは人間の全身の健康を守ることにつながるのです。
日本の歯科医療の現状
日本の歯科医療は現在、「歯に痛みがあったときに歯科医院に行って治療する」という対症療法が主。最近は予防治療に力を入れる歯科医院が増えていますが、患者さんは「悪いところがあったら」という考えの方が多いのではないでしょうか。
欧米の残存歯数と大きな開き
予防型にシフトしていくべき
欧米では予防治療の考えが浸透していて、歯科医院は「歯が悪くならないようにメンテナンスをするところ」と考えられています。結果、スウェーデンでの70歳の人の平均残存歯数は20本、アメリカは17本、イギリスは15本。日本はどうでしょう。たったの8本なのです。日本も一層、予防型の考えにシフトしていくべきだと考えています。
予防治療の流れ
1問診
患者さんの歯や歯ぐきの状態を確認するほか、使っている歯ブラシ、歯磨きの方法、歯磨きの時間まで細かくヒアリング。どこを改善すれば歯を守れるかを検討していきます。
2検査
噛み合わせなどの問題が考えられるなど、骨の状態を確認したいときはレントゲンを撮影します。
3説明
問診や検査で得た情報をもとに診断をし、患者さんにわかりやすく説明。イメージがしやすいよう、レントゲン写真や口腔内写真、模型を使ってなるべく見える形でお伝えしています。
会計後には再度、スタッフからご説明させていただきます。4応急処置
患者さんの症状や病気の進行具合を踏まえ、必要に応じて応急処置をします。
むし歯の痛みがひどい場合は外用薬や内服薬で痛みを止めてから治療に移ります。5メンテナンス
歯の歯垢や歯石を除去するスケーリング、歯についている汚れや歯垢の原因となるバイオフィルムを取り除くPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング)を行います。歯石とバイオフィルムは歯磨きでは落とせないので、歯科医院でメンテナンスを受けることが必要なのです。
メンテナンスの頻度は半年~1年に1度。患者さんがどれだけセルフケアができているかによって、適切なタイミングは変わります。